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韓国において量子コンピューティング商用技術が急成長、産業適用本格化の兆し

 世界的に見て、量子コンピューティング技術は、過去10年間(2014~2023年)で基礎技術中心の研究段階を脱し、ハードウェアやソフトウェア、サービスといった実際の産業に適用するための「商用技術」中心へと急速に転換しています。特許出願の分野では、米国、中国を中心とする主要国で出願件数が急激に増加していますが、韓国におきましても出願件数が着実に増加しており、特にハードウェア・ソフトウェア中心の商用技術分野において出願が確実に増加しています。

 

 量子コンピューティング技術の現状に関するこの記事の主なポイントは以下の通りです。

 

1.商用技術特許の爆発的増加

 主要国(いわゆるIP5:米国、中国、欧州、日本、韓国)における量子コンピューティング全体の特許出願は年平均40.7%で成長していますが、中でも商用化技術の出願は年平均86.0%という驚異的な成長を記録しました。これは基礎技術の成長率(26.8%)の3倍以上の速さであり、産業適用の兆しが鮮明になっています。

 

2.米中二強と韓国の躍進

 国別では米国(45.7%)と中国(24.9%)が全体の7割以上を占め、国際的な技術競争を主導しています。一方、韓国は出願件数こそまだ少ないものの、年平均増加率では58.5%と世界3位にランクインしており、産業化の初期拡散段階に入ったと評価されています。

 

3.競争構造の多角化

 企業別ではIBMとGoogleがトップ2として絶対的な地位を築いていますが、オリジン・クオンタムや百度(バイドゥ)といった中国勢が90%以上の成長率で急浮上しています。さらに、IONQやIQM Finlandなどの新興企業も独自のハードウェアプラットフォーム等で影響力を強めており、技術エコシステムが多様化しています。

 

4.戦略的対応の重要性

 韓国の知識財産処は、米中を中心とした覇権競争の中で主導権を確保するためには、研究開発(R&D)と特許確保を連動させた戦略的な知的財産政策が不可欠であると強調しています。

 

 量子コンピューティング技術の商用技術への急速な転換は、量子コンピューティングがもはや理論上の存在ではなく、ハードウェアの実現やソフトウェア制御を通じた実用的なサービス化の段階に到達しつつあることを示しています。

[情報元]

1.Newsletter: January 2026 (HA&HA) 「量子コンピューティング商用技術が急成長、産業適用本格化の兆し」January 7, 2026

http://haandha.com/html/jp/media_letter-view.php?no=127&search=&search_text=&start=0

担当 深見特許事務所 赤木 信行