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CTMOによる区分表の運用について

 最近、中国商標局(CTMO)は今迄以上に更なる改革を行なうと公言しました。その背景として、単なる印刷用紙不足のためCTMOによる商標登録証書の発行が麻痺状態に陥ってしまったという昨年度下半期の「紙不足」騒動が、世間から厳しい非難を浴びたことがあります。
 CTMOはここ数ヶ月の間、出願人、権利者、商標代理機構にとって有利な改革を試みてきました。ここでは、区分表の運用についての改革を取上げます。
 CTMOによる区分表の運用について、商品及び役務の標準的な表現しか認められないことは、ずっと批判されてきました。主流的な商品又は役務を提供する出願人にとっては、区分表から標準的な表現を選択するのは容易なことですが、最先端又は非主流の製品を製造する先端企業或いは海外出願人にとっては、区分表は不十分であると言えます。
 2016年7月に商標登録の利便性を図る改革を推進させようという見解を発表して以来、CTMOは今年の7月から3回の通知書を発行し、区分表に含まれていないものの、指定商品や指定役務として受理可能な3200個の表現をリストアップしました。上述3回の通知書をもって新たに認められた商品及び役務のリストは、現在CTMOの公式サイト(※1)に公開され、出願人に対してより多くの選択肢と柔軟な対応を与えています。
(※1)CTMOの公式サイト
第1回通知 http://sbj.saic.gov.cn/sbyw/201607/t20160713_169795.html
第2回通知 http://sbj.saic.gov.cn/sbyw/201608/t20160823_170575.html
第3回通知 http://sbj.saic.gov.cn/sbyw/201609/t20160919_171223.html
 また、CTMOの公式サイト(※2)によれば、9月20日に、CTMOは区分表を改訂するための会議を行ないました。WIPOによる国際ニース分類第11版は2017年1月1日に施行され、CTMOは国際ニース分類に基づいて区分表を改訂します。
(※2)CTMOの公式サイト
区分表改訂座談会 http://sbj.saic.gov.cn/sbyw/201609/t20160927_171420.html

[情報元]CPA Newsletter 2016 Issue 4
[担当]深見特許事務所 中島 由賀