国・地域別IP情報

EPOの規則改正が間近に迫る

 広く報じられている通り、EPO は、分割出願の期限に関する規則改正を決定しています。具体的には、以前の分割期限が撤廃されて、2014 年4 月1 日からは再び、係属中のどの出願からも分割出願が可能になりました。
 新たなEPC 規則36 は、2014 年4 月1 日以降の全ての分割出願について適用されます。つまり、以前の規則の下で分割期限が既に決められ、また分割期限が過ぎた場合でも、2014 年4 月1 日以降に係属中のどの出願に基づいてでも分割出願が可能になります。したがって、多くの出願にとって、分割出願の「窓」が再び開かれることになります。
 第2世代およびそれ以降の世代の分割出願(つまり、既に分割された出願の分割出願)においては追加費用が課される予定です。この追加費用の額はまだ決められていませんが、現在の費用(オンライン出願で115 ユーロ)に基づいて決められ、高額になり過ぎることはないでしょう。
 分割出願に関する新規則に加えて、ヨーロッパ特許機構の管理会合は、ヨーロッパに国内移行されるPCT 出願の補足調査の手続に関する規則も改正しようとしています。新規則においては、補足のヨーロッパ調査報告において単一性欠如が発見された場合に、追加の主題について調査を受けるために追加の調査費用を支払う機会が出願人に与えられることになります。
 EPO は、ヨーロッパに国内移行されるPCT 出願(Euro-PCT 出願)であって、EPO が国際調査機関ではないものについては、補足のヨーロッパ調査を行います。現在のEPC規則164 では、EPO が補足の調査において単一性欠如を発見した場合、クレーム中の第1発明のみについて調査が行われます。その他の発明を選択して調査対象とし、またその他の発明について調査を受けるために追加費用を支払う機会はありません。これに対して、EPO に直接出願されたものについては、EPO がヨーロッパ調査において単一性欠如を発見した場合、出願人はさらに追加費用を支払う機会が与えられています。これはEuro-PCT 出願にとって不公平であり(特に、EPO を国際調査機関として使わなかった場合)、新規則は歓迎されるものになるでしょう。
 新規則の下では、補足の調査が行われて単一性欠如が発見された場合には、EPO は第1発明について調査し、出願人が調査を希望する他の発明については追加費用の支払いを促します。さらに、補足の調査が行われない場合(つまり、EPO が国際調査機関である場合)には、国際段階において調査されていない発明に関するクレームが審査に付される場合(国際調査において単一性欠如が発見されたが追加費用が支払われない場合や、国内移行の際にクレームが大幅に変更された場合)、出願人はこれらの発明について調査を受けるためにさらに追加費用を支払う機会が与えられます。これにより、Euro-PCT 出願の手続が出願人にとってより柔軟なものになります。これらの改正後の規則は、2014 年11 月1 日より施行される予定です。

[情報元]Mewburn Ellis Newsletter, January 2014
[担当]深見特許事務所 山本康平