ブラジル国会が第二医薬用途特許の付与を禁じる法案を否決
2012年10月17日にブラジル議会の経済発展、産業および貿易委員会が2007年の法案第2511号を否決しました。この法案は、既知の医薬品から得られた発明、すなわち“第二医薬用途”特許(スイスタイプクレーム)の付与の禁止を求めたものです。
第二医薬用途特許とは、たとえば、元々は解熱剤として開発された医薬品が、後に降圧剤として有効であることが発見された場合の特許です。このような場合には、新たな用途(第二医薬用途)に対して特許が与えられ、これは、既に登録されている元来の用途特許とは独立となります。
第二医薬用途特許の付与を禁止すれば、ブラジルの製薬会社による医薬用途の研究および開発を妨げることになるという理由で、委員会は、この法案を否決しました。また、委員会の代表は、第二医薬用途特許の付与の禁止は、特に医薬品の分野において、発明の保護を図る憲法の目的に反する、と述べております。
法案第2511号の否決によって、ブラジルは、アルゼンチンと距離を置くことになります。なぜなら、アルゼンチンでは、第二医薬用途特許の付与を禁止する審査基準が最近発行されたからです。
[情報元]Di Blasi Parente & Associados, 30/10/2012
[担当]深見特許事務所 西川信行