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中国意匠および韓国デザインについて

 さて、韓国デザイン保護法の改正法が2009年7月1日および2010年1月1日に施行され、また、中国専利法の第3次改正法が2009年10月1日に施行されています(改正実施規則および改正審査指南は、2010年2月1日施行)。
 そこで、韓国のデザイン保護制度および中国の意匠保護制度と、日本の意匠保護制度との対比をQ&A形式でまとめましたので、下記の如くご報告申し上げます。なお、韓国デザイン保護法の改正の詳細については、2009年12月4日付発行の弊所外国特許情報レポート、中国専利法の第3次改正の詳細につきましては、2009年9月30日付発行および2010年6月7日付発行の弊所外国特許情報レポートをご参照ください。

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Q1.
 意匠は、主としてどのような法律で保護されますか。
 意匠法により保護されます。 専利法により保護されます。 デザイン保護法により保護されます。
Q2.
 保護対象になり得る意匠について教えてください。
 工業上利用することができる意匠であれば、保護対象になり得ます( 3 条1 項
柱)。
 なお、「意匠」とは、物品
(物品の部分を含む)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美観を起こさせるものをいいます(2条1項)。
 「意匠」は、製品の形状、図案又はその結合および色彩と形状、図案の結合により生み出された優れた外観を備え、且つ工業への応用に適した新たなデザインをいいます(2条)。  工業上利用することができるデザインであれば、保護対象になり得ます( 5 条1 項柱)。
 なお、「デザイン」とは、物品(物品の部分および文字体を含む)の形状・模様・色彩又はこれらを結合したもので、視覚を通じて美感を起こさせるものをいいます(21項)。
Q3.
 意匠登録のための、主な要件を教えてください。
 新規性(3条1項各号)、創作非容易性(3条2項)を有している必要があります。  新規性(23条1,4項)、創作非容易性( 2 3 条2項) を有している必要があります。
 他人の先願の抵触出願がないこと(23条3項)も要件となっています。
 新規性(5条1項各号)、創作非容易性(5条2項)を有している必要があります。 
 拡大された先出願の範囲拡大に該当しないこと(5条3項)も要件となっています。
Q4.
 新規性喪失例外規定はありますか。
あります(4条)。 発明創造についてはありますが(24条)、意匠にはありません。 あります(8条)。

 

ここに含まれる情報は一般的な参考情報であり、法的助言として使用されることを意図していません。従って、IP 案件に関しては弁理士にご相談下さい。

 

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Q5.
 出願に係る意匠は、審査官により審査されますか。
 審査主義を採用し、全ての出願に係る意匠が、審査の対象になります( 1 6条)。 無審査主義を採用しています(40条)。
 よって、上記登録要件を具備するか否かの判断は無効審判で行なわれることになります。
 実体審査を行なう出願手続( デザイン審査登録出願) と、実体審査を行なわない出願手続(デザイン無審査登録出願)との2種類があります(25条1項)。
 なお、デザイン無審査登録出願をすることができる物品は、予め定められています(施行規則9条3項)。
 無審査で登録されたデザインには、デザイン無審査登録異議申立が認められています(25条1項)。
Q6.
 出願時に要求される書類を教えてください。

 出願時に要求される書類は以下のとおりです( 6条)。
①願書
②意匠を記載した図面

————————-
願書には、下記の事項を記載します(6条)。
・出願人の氏名等
・創作者の氏名等
・意匠に係る物品
・意匠に係る物品の説明
・意匠の説明

出願時に要求される書類は以下のとおりです( 2 条)。
①願書
②意匠の図面又は写真
③意匠の簡単な説明
—————————
③の意匠の簡単な説明は第3次改正により追加されたものです。意匠の簡単な説明の記載に関しては実施細則28条に以下の規定があります。
 意匠の簡単な説明には、
a.意匠製品の名称
b.意匠製品の用途
c.意匠のデザインの要点を明記しなければならず、
d.デザインの要点を最もよく表わしている図面又は写真を指定しなければなりません。

 正投影図の省略や色彩の保護を求める場合は、簡単な説明中にその旨を明記します。
 同一の製品における複数項の類似意匠を一つの意匠として出願する場合、簡単な説明の中で、そのうちの一つを基本設計に指定しなければなりません。
 簡単な説明に商業的な宣伝用語を使用したり、それを製品の性能の説明に使ったりしてはなりません。
————————–
願書には、下記の事項を記載します(実施細則1 6条)。
・意匠の名称
・出願人が中国の単位又は個人の場合、その名称又は氏名、住所、郵便番号、組織機構コード或いは住民身分証明書番号。出願人が外国人、外国企業或いは外国のその他の組織の場合、その氏名又は名称、国籍或いは登録した国又は地域
・設計者の姓名
・出願人が代理機関に委任している場合、受託機関の名称、機関コード、当該機関が指定する特許代理人の姓名、営業証番号、電話番号
・優先権を主張する場合、出願人が初めて特許出願を提出した日、出願番号及び原受理機関の名称
・出願人又は専利代理機関の署名又は捺印
・出願書類目録
・添付書類目録
・その他、明記すべき関係事項

出願時に要求される書類は以下のとおりです(9条1項2項)。
①願書
②意匠を記載した図面
—————————
願書には、下記の事項を記載します(9条1項)。
・出願人の氏名等
・代理人の氏名等
・デザインの対象となる物品
・単独デザイン/類似デザインの区別
・基本デザインの登録番号等
・創作者の氏名等
・優先権を主張する場合その旨等

Q7.
 願書に添付すべき図面について教えてください。
 意匠法施行規則第3 条様式第6に、図面に関する規則が明記されています。
 また、図面の記載に関しては、特許庁から「意匠登録出願の願書及び図面の記載に関するガイドライン」が発行されています。
 出願人が提出する図面又は写真は、専利保護を請求する製品の意匠を鮮明に表示していなければなりません(27条)。
 出願人は色彩保護を請求する場合には、カラー図面又は写真を提出しなければなりません(実施細則27条)。
 デザインに関する次の事項を記載した図面を添付しなければなりません(9条2項)。
・デザインの対象となる物品
・デザインの説明及び創作内容の要点
・デザインの一連番号(複数デザイン登録出願の場合)
 なお、従来は6面図および斜視図の提出が必須でしたが、2010年1月1日からデザインの創作内容と全体的な形態を明確に表現する1以上の図面を提出すれば良いこととなりました。
Q8.
 図面以外に提出できるものはありますか。
 図面に代えて、写真、ひな形、見本を提出することができます。  図面に代えて、写真を提出することができます。  図面に代えて、写真又は見本を提出することができます。2010年1月1日から3Dモデリングファイルを提出することも可能となりました。
Q9.
 一出願に複数の意匠を含めることはできますか。
できません(7条)。  1件の意匠出願に、10件までの類似意匠を含ませることができます(実施細則35条1項)。
 なお1 0件には基本意匠
が含まれます。
 デザイン審査登録出願では、1デザイン1デザイン登録出願となります(1条)。
 デザイン無審査登録出願では、複数デザイン登録出願(20デザイン以内)が認められています(11条2)。
Q10.
 特殊な意匠出願の形態を教えてください。
部分意匠出願( 2条1項括弧書)
関連意匠出願(10条)
組物の意匠出願(8条)
秘密意匠出願(14条)
等が挙げられます。
 日本の部分意匠出願、秘密意匠出願に対応する制度は中国にはありません。
 中国では日本の関連意匠出願に対応する制度は実施細則35条1項に規定されており、組物の意匠出願に対応する制度は31条に規定されております。
 デザイン無審査登録出願
 部分意匠出願(2条1項括弧書)
 類似デザイン出願(7条)
 複数デザイン登録出願(11条)
 一組の物品のデザイン(12条)
秘密デザイン(13条)
等が挙げられます。
Q11.
 存続期間について教えてください。
 設定登録から2 0年です(21条)。  意匠権の存続期間は出願日から起算して1 0年です(42条)。  設定登録から1 5年です
(40条)。

 

<韓国デザイン保護法の改正案について>
現在、韓国デザイン保護法の改正が予定されています(2010年7月 国会提出)。
主な改正案内容は下記の通りです。
・デザインの保護対象拡大(2条1号等)
・創作非容易性の強化(5条2項等)
・関連デザイン制度の導入(7条等)
・新規性喪失例外規定適用のための手続改善(8条2項等)
・デザイン存続期間の延長(40条)

以上