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外的な証拠は固有の新規性欠如をサポートするために用い得る

(1)背景

 CAFCは、特許審判部(Patent Trial and Appeal Board: PTAB)が行なった、「Monsanto Tech社(以下、被請求人という)が特許権を有する米国特許第7,790,953号(以下、「953号特許」と記載します)のクレーム1, 7, 12-22, 24 27-30に係る発明は、DuPont社(以下、請求人という)が有する米国特許第6,426,448号(以下、「448号特許」と記載します)に記載された発明である」、という認定を支持しました。

(2)953号特許について
 953号特許は、修飾された脂肪酸を有する大豆の製造方法であって、第1の大豆系統および第2の大豆系統をマッチングさせること等に係るものです。

(3)PTABの認定
 請求人は、PTABに対して448号特許の発明者の名でデクラレーションを提出しました。デクラレーションには、以下の事項が記載されていました。
 [ア]448号特許の詳細な検討結果、および
 [イ]448号特許の実施例8は、実質的に448号特許のクレーム1を開示していることを示すデータ。
 係るデクラレーションを参酌して、PTABは953号特許のクレーム1, 7, 12-22, 24 27-30は448号特許に記載された発明と同一であると認定しました。

(4)CAFCにおける被請求人の主張
 被請求人は、PTABがデクラレーションに依拠したことからも明らかなように、448号特許には953号特許に係る発明が明示的に記載されていないと主張しました。
 また、PTABはデクラレーションという外的な証拠のみに依拠しており、係る外的な証拠のみに依拠した認定は妥当性に欠けると主張しました。

(5)CAFCの判断
 CAFCは、デクラレーションは953号特許において開示されている事項を拡張するものでは無く、953号特許において開示されている大豆がどのような脂肪酸を固有に有し得るかを実証するものであるとして、上記被請求人の主張を採用しませんでした。
 CAFCは、PTABがデクラレーションに依拠していることに関して、「先行文献に必然的に存在する事項」をサポートするためには、デクラレーション等の外的な証拠を用い得るとし、適切なものであるという見解を示しました。

[情報元]McDermott Will & Emery IP Update Vol. 21, No. 2
[担当]深見特許事務所 池田 隆寛