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実用新案の請求項に記載される非構造的特徴が構造的特徴に変更又は影響をもたらさないならば、周知の技術の運用とみなすべき

 原告(係争実用新案権者)は、2008年8月15日に実用新案登録を出願し、被告(知的財産局)から実用新案(以下、係争実用新案)登録を許可されました。その後参加人(無効審判請求者)が専利法(日本の特許法、実用新案法、意匠法に相当)第94条第1項第1号及び第4項の規定に違反しており、実用新案登録要件に適合しないとして、これに対する無効審判を請求しました。原告は訂正を提出し、被告は訂正を許可し、該訂正本(訂正版)に対して審理を行ない、係争実用新案の請求項1乃至3が前記専利法規定に違反していると認め、無効審判請求成立により取消す処分を下しました。原告は、これを不服として行政訴願を提起しましたが経済部に棄却され、さらに不服として知的財産裁判所に行政訴訟を提起しました。知的財産裁判所は審理した結果、原告の訴えを棄却しました。

 上述の問題について、知的財産裁判所は以下のように判決で指摘しています。
一.実用新案の進歩性の審査については、請求項に記載される非構造的特徴(例えば材質、方法)が構造的特徴に変更又は影響をもたらすか否かによって決めるべきである。非構造的特徴が構造的特徴に変化又は影響をもたらさないならば、該非構造的特徴は周知の技術の運用とみなされるべきであり、先行技術にすべての構造的特徴が開示されているならば、進歩性を有しないと認定できる。

二.証拠4はすでに係争実用新案請求項1の全ての技術的特徴を開示しており、係争実用新案の請求項1で限定されている「各接合ユニットの材質はプラスチックである」ことは構造的特徴ではなく、係争実用新案請求項1の構造的特徴に変更又は影響をもたらさず、周知の材質の簡単な運用にすぎない。

三.さらに係争実用新案の請求項2乃至3は請求項1(独立項)に直接的に従属する請求項であり、その技術的特徴も証拠4の簡単な変更と運用であり、かつそれが属する技術分野における通常の知識を有する者(当業者)が全体の技術的特徴を容易になし得て、さらに予期せぬ効果ももたらさない。係争実用新案請求項1乃至3が改正前の2003年専利法第94条第4項の規定に違反しているとして、被告が「請求項1乃至3を無効審判請求成立により取消す処分」を下したことは、法に合わないところはない。以上をまとめると、訴願決定による(原処分の)維持に誤りはない。原告の訴えには理由がなく、棄却すべきである。(資料出所:知的財産局(TIPO)/智慧財産権電子版)

[情報元]TIPLO(台湾国際専利法律事務所: January, 2018)
[担当]深見特許事務所 杉本 さち子