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外部証拠はMeans-Plus-Functionの解釈を争うために要求されない

 CAFCはITC(International Trade Commission)による単純かつ通常の意味解釈を覆して、本件のクレームの表現がmeans-plus-functionの表現であると認定し、その結果、本件のクレームが不明確であると判示しました(Diebold Nixdorf, Inc. v. ITC, Case No. 17-2553 (Fed. Cir. Aug. 15, 2018))。
 Nautilus Hyosungは、DieboldがATM(現金自動預払機)をカバーする4つの特許を侵害しているとして、ITC関税法337条の調査手続を申し立てました。ITCは、Dieboldが6つのクレームを侵害していると判断しました。この判断は、クレームの表現は、means-plus-functionの表現でなく、かつ仮にmeans-plus-functionの表現であったとしても不明確ではないとするITCの行政法裁判官の認定を前提とするものです。Dieboldは上訴しました。
 CAFCは、クレームの表現は、means-plus-functionの表現であり、明細書には、対応する構造が記載されていないので、クレームは不明確であると判示しました。
 初めに、CAFCは、クレームおよび明細書には、”cheque standby unit”(小切手待機部)が、具体的な構造を記載することなく、単に機能的な表現で記載されていると認定しました。次に、CAFCは、クレームの表現が、”means”という語を含まない場合には、means-plus-functionの表現ではないとする推定は克服されていることを述べました。ITCは、means-plus-functionであると主張する側が、外部証拠を提出して、クレームの表現が構造を十分には含意していないことを示さなければならないと主張しましたが、CAFCは、ITCの主張を受付けませんでした。CAFCは、”unit”が、”means”に類似する一般的な名詞であるとした2015年のCAFC大法廷の判決(Williamson v. Citrix Online)を説明し、かつ本件を”circuit”が構造を含意しているとされた以前の事件(Apex v. Raritan Computer)と区別しました。最後に、CAFCは、Nautilus Hyosung側の専門家証言は、構造(structure)の定義を何もせずに単に機能(function)の定義を提供するだけであるとして、この専門家証言を考慮しませんでした。
 CAFCは、争点となるクレームの記載が、means-plus-functionの要素であると認定した後、CAFCは、明細書が対応する構造を記載しているかどうかを検討しました。CAFCは、記載されていないと認定して、クレームの記載が、112条の下で不明確であると判断しました。

[情報元]McDermott Will & Emery IP Update Vol. 21, No. 9
[担当]深見特許事務所 西川 信行