国内裁判例・審決例レポート

国内裁判例・審決例
レポートアーカイブ

国内裁判例・審決例レポート 2025年 第10号

「AWG治療」事件
(知財高判令和6年11月11日 令和6年(行ケ)第10028号)

 

概要

(1)指定商品・役務の類否が争点となった無効審判請求不成立審決に係る取消訴訟事例。
(2)指定商品・役務の取引の実情を踏まえて商品・役務類似と結論づけた(審決取消し)。
(3)商品・役務に関する非類似の推定を覆した一例として参考になり得る事例。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第20号

「Tibetan Tiger」事件ほか

(知財高判令和6年4月17日 令和5年(行ケ)第10114号)ほか2件

 

概要

 

(1)出願商標(「Tibetan Tiger」、「Nepal Tiger」、「Tibet Tiger」)の識別力の有無が争点となった拒絶審決取消訴訟事例。

(2)商標の識別力の有無の判断における取引実情の重要性を再認識させる事例。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第6号

「AROUSE」事件
(知財高判令和5年1月17日 令和4年(行ケ)第10078号)
 複数の引用商標との類似に基づき請求された無効審判の審決取消訴訟で、各引用商標から生じる称呼は各々の引用商標の構成に基づき認定されるとの原則を再確認した事例。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第5号

「KAZE」事件
(知財高判令和5年7月12日 令和5年(行ケ)第10005号)
(1)審決取消訴訟において、デザイン化された文字を含む「KAZE」を構成中に含む出願商標と「KAZE」の欧文字を黒色ゴシック体で表した引用商標との類否が争点となった事例。
(2)審判部、裁判所(知財高裁)ともに、出願商標はデザイン化されていても欧文字4文字の「KAZE」と判読可能と認定し、引用商標と類似すると結論付けた。
(3)構成文字の一部がデザイン化された商標が、判読可能な文字として審査されるか、もはや判読不可能な図形要素として審査されるか、その境界線を考えさせる参考事例。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第3号

「athlete Chiffon」事件
(知財高判令和5年10月12日 令和5年(行ケ)第10038号)
(1)審決取消訴訟において、出願商標「athlete Chiffon」が自他商品役務識別力を欠くとして拒絶となった事例(特許庁の拒絶審決を維持)。
(2)指定役務分野で「athlete」と「Chiffon」の語がどのような態様で、いかなる意味にて用いられているかを一般取引実情として認定し、識別力の有無を評価した。
(3)商標から認識される意味を一般取引実情に基づいて評価する手法に関する参考事例。

国内裁判例レポート 2023年 第36号

「EMPIRE STEAK HOUSE」事件
(知財高判令和5年1月17日 令和4年(行ケ)第10087号)
(1)審決取消訴訟において、図形と文字からなる出願商標「EMPIRE STEAK HOUSE」と引用商標「EMPIRE」との類否が争点となった事例。
(2)審判部、裁判所(知財高裁)ともに、本願商標中の「EMPIRE」部分を要部と認定し、引用商標と類似すると結論付けた。
(3)「●●+識別力の弱い語」の構成からなる結合商標について、構成文字の識別力の強弱差及び一般取引実情を考慮しつつ、要部抽出が行われるべきかを判断した参考事例。

国内裁判例レポート 2023年 第20号

「朔北カレー」事件
(知財高判令和5年3月9日 令和4年(行ケ)第10122号)
(1)審決取消訴訟において、出願商標「朔北カレー」と引用商標「サクホク」との類否が争点となった事例。
(2)本願商標より「朔北」部分を抽出して分離観察することを是としつつ、特に観念を積極的に認定し、引用商標とは非類似と結論づけた(特許庁審決を取消)。
(3)称呼が同一である漢字(表意文字)からなる商標と片仮名(表音文字)からなる商標について、類否を判断する際の参考事例。