国内裁判例・審決例レポート

国内裁判例・審決例
レポートアーカイブ

国内裁判例・審決例レポート 2026年 第8号

「水性貼付剤」事件

(知財高判令和8年4月23日 令和7年(行ケ)第10053号)

 

概要

(1)審決取消訴訟において、数値限定発明の進歩性(臨界的意義)及び出願後の比較実験報告書による効果の立証の妥当性が争点となった事例。

(2)裁判所は、含水率の設計変更は容易想到であり、それに伴う裏抜けの抑制効果は当業者が予測可能であり、また、比較実験において相違点以外の成分(溶解補助剤)を変化させたデータは因果関係が曖昧であるとして効果の非予測性の根拠としては認めず、本願発明の進歩性を否定した(特許庁審決を維持)。

国内裁判例・審決例レポート 2026年 第7号

「ロボット、プログラム及び方法」事件

(知財高判令和8年7月1日 令和7年(行ケ)第10100号)

 

概要

(1)拒絶査定不服審判の不成立審決に対する取消訴訟において、本願発明の進歩性の有無(人間の眼球運動の周知事項をロボットの眼に適用することの容易想到性や、阻害事由の有無)が争点となった事件。

(2)知財高裁は、引用発明に周知事項(人間の眼の「固視微動」)を考慮した上で別の引用発明を適用することは当業者が容易に想到し得るものであり、人間の眼球の特徴をロボットに適用することに阻害事由もないとして、進歩性を否定した特許庁の審決を維持(原告の請求を棄却)した。

国内裁判例・審決例レポート 2026年 第6号

「DPPIVインヒビターの使用」事件
(知財高判令和8年2月9日 令和7年(行ケ)第10054号)

 

概要
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)裁判所は、薬事承認が下りていない事実は特許法上の「技術常識」の認定とは無関係であり、また、臨床試験による一般的な最適化の手法を用いて特定の用量を導き出すことは当業者の通常の創作能力の範囲内であるとして、本件発明の進歩性を否定した(特許庁審決を維持)。

国内裁判例・審決例レポート 2025年 第13号

「ワクチンアジュバントの製造の間の親水性濾過」事件(知財高判令和6年3月25日 令和5年(行ケ)第10056号)

 

概要

(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。

(2)裁判所は、主引用発明に、優先日当時の市販製品が備える膜を用いて濾過を行うという周知技術を適用することは容易想到であると認定し、また、本件明細書中の比較対象に基づくデータを考慮すると本件発明の効果は顕著なものであったとは評価できないとして、本件発明の進歩性を否定した(特許庁審決を取消)。

国内裁判例・審決例レポート 2025年 第7号

「ビークル」事件

(知財高判令和7年3月24日 令和6年(行ケ)第10049号)

 

概要

(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。

(2)裁判所は、引用発明の車両を周知の「リーン姿勢で旋回可能に構成された車両」とする動機付けがないから、本件発明は進歩性を有する判断した(特許庁審決を取消)。

国内裁判例・審決例レポート 2025年 第2号

「微細結晶」事件

(知財高判令和5年7月13日 令和4年(行ケ)第10064号)

 

概要

(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。

(2)裁判所は、進歩性に関し、甲1結晶発明に相反する周知技術(相違点1、2)を敢えて採用することは当業者が容易に発明をすることができたものではないと判断した(特許庁審決の判断を支持)。

国内裁判例・審決例レポート 2025年 第1号

「携帯端末の遠隔操作用デバイス」事件

(知財高判令和5年12月5日 令和5年(行ケ)第10011号)

 

概要

(1)審決取消訴訟において、進歩性が争点となった事例。

(2)裁判所は、引用発明において周知技術を用いることで、当業者が容易に発明をすることができたものとして本件発明の進歩性を否定した(特許庁審決を維持)。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第15号

「表示装置」事件
(知財高判令和5年11月14日 令和4年(行ケ)第10113号)

(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。

(2)裁判所は、引用発明に技術常識を組み合わせることについて阻害要因がないから、本件発明は、引用文献1及び技術常識に基づいて容易にし得たと判断した(特許庁審決の判断を支持)。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第14号

「バリア性積層体、該バリア性積層体を備えるヒートシール性積層体および該ヒートシール性積層体を備える包装容器」事件
(知財高判令和6年4月22日 令和5年(行ケ)第10091号)

(1)取消決定に対する不服申立てにおいて、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。

(2)取消事由1(甲3を主引例とする進歩性の判断の誤り)について、複数の相違点を一体的に検討すべきであると認定し、主引例と副引例との技術分野ないし用途の相違を考慮した上で、主引例に副引例を適用する動機付けがないと判断した(異議申立てにおける特許庁の取消決定を取消し)。

国内裁判例・審決例レポート 2024年 第4号

「車両ドアのベルトラインモール」事件
(知財高判令和5年7月25日 令和4年(行ケ)第10111号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性判断が争点となった事例。
(2)特許庁の審決においては容易に想到し得ないとされた相違点に係る構成について、当業者が適宜なし得る設計的事項であると判断し、本件発明の進歩性を否定した(特許庁審決を取消)。