国内裁判例レポート 2023年 第30号
「防眩フィルム」事件
(知財高判令和5年3月27日 令和4年(行ケ)第10029号)
(1)特許取消決定取消請求訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)裁判所は、副引用例(引用例2)を正しく認定すると、副引例に記載された事項を主引例(引用例1)に適用しても、本件発明に想到できないと判断した(特許庁の特許取消決定を取消)。
国内裁判例レポート 2023年 第28号
「美容器」事件
(知財高判令和2年1月27日 令和元年(行ケ)第10090号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)裁判所は、甲1発明に甲2技術事項を適用して、甲1発明を相違点1~3に係る構成を有するものとすることはできないと判断した(特許庁審決の判断を支持)。
国内裁判例レポート 2023年 第27号
「平底幅広浚渫用グラブバケット」事件
(知財高判令和2年6月11日 令和元年(行ケ)第10077号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)原告は、相違点6が実質的な相違点ではないと主張したが、裁判所は、相違点6は実質的な相違点であり、かつ引用発明に基づいて容易に想到できたとはいえないと判断した(特許庁審決の判断を支持)。
国内裁判例レポート 2023年 第25号
「水分制御装置」事件
(知財高判令和5年2月16日 令和4年(行ケ)第10052号)
(1)審決取消訴訟において、審判請求時の補正を却下したことに関する手続違反が争点となった事例。
(2)裁判所は、本件補正が独立特許要件に違反するとした本件審決の判断に誤りがないと判断した上で、引例3に基づく進歩性欠如を理由とする本件拒絶査定と、引例3及び技術常識を示す文献(甲2文献乃至甲5文献)に基づく進歩性欠如を理由とする本件審決とは、理由の論旨を変更するものではなく、特許法159条2項の「査定の理由とは異なる拒絶の理由を発見した場合」には該当しないと判断した(特許庁審決の判断を支持)。
国内裁判例レポート 2023年 第24号
「銅銀合金を用いた導電性部材、コンタクトピン及び装置」事件
(知財高判令和4年11月16日 令和3年(行ケ)第10164号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)裁判所は、取消事由2(相違点1の判断の誤り)について、引用発明においては、ニッケルの添加が課題解決のための必須の構成とされているというべきであり、引用発明の「合金材料」について、ニッケルの添加を省略して銅銀二元合金とすることには、阻害要因があると判断した(特許庁審決を取消)。
国内裁判例レポート 2023年 第22号
「印刷された再帰反射シート」事件
(知財高判令和4年10月31日 令和3年(行ケ)第10085号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)裁判所は、副引例(甲3)に記載の技術事項を主引例(甲1)に適用する動機付けはなく、また主引例の一部の構成のみを取り出して副引例の構成に置換する動機付けもないと判断した(特許庁審決を取消)。
国内裁判例レポート 2023年 第21号
「茶枝葉の移送方法並びにその移送装置並びにこれを具えた茶刈機」事件
(知財高判令和5年4月20日 令和4年(行ケ)第10098号)
(1)審決取消訴訟において、新規性および進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)裁判所は、「直後方」の限定を考慮し、甲1発明に対する本件発明1の新規性および進歩性を肯定した(特許庁審決の判断を支持)。
国内裁判例レポート 2023年 第19号
「空気入りタイヤ」事件
(知財高判平成29年2月7日 平成28年(行ケ)第10068号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)裁判所は、副引例(甲2)に記載の技術事項を主引例(甲1)に適用しても、数値限定を含む本件発明の構成を容易に想到できないと判断した(特許庁審決を取消)。
国内裁判例レポート 2023年 第18号
「空調服の空気排出口調整機構」事件
(知財高判令和5年2月7日 令和4年(行ケ)第10037号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)技術分野の関連性および課題の共通性を考慮して、主引用発明(公然実施発明)に接した当業者は、副引用発明を採用するように動機付けられたものと認めるのが相当として、本件発明の進歩性を否定した(特許庁審決を取消)。
- 特許
- 意匠
- 商標
- 産業上の利用可能性(29条1項柱書き)
- 新規性(29条1項)
- 公然実施(29条1項2号)
- 進歩性(29条2項)
- サポート要件(36条6項1号)
- 明確性要件(36条6項2号)
- 実施可能要件(36条4項1号)
- 医療関連行為(69条3項)
- クレーム解釈(70条)
- 均等論
- 第1要件
- 補正
- 訂正
- 不使用取消
- 発明の実施(2条3項)
- 分割出願(44条)
- 変更出願
- 引例適格性
- 引用発明の認定
- 相違点の認定
- 特許請求の範囲の減縮
- 相違点の判断
- 動機付け
- 引用発明の適用
- 引用発明の一部の構成の置換
- 周知技術
- 技術常識
- 組み合わせ
- 技術分野の関連性
- 課題の共通性
- 作用・機能の共通性
- 顕著な効果
- 阻害要因
- 設計的事項
- 範囲を不確定とさせる表現
- 機能的記載
- 作用効果
- 技術的意義
- 用途発明
- 数値限定
- 新規事項の追加
- 誤記の訂正
- 独立特許要件
- 除くクレーム
- プロダクト・バイ・プロセスクレーム
- 製法限定
- 発明者
- 属地主義
- 域外適用
- 部分意匠
- 変更の適法性
- 優先権の有効性
- 手続違背
- 出訴期間
- 意匠の類否
- 商標の類否
- 称呼
- 称呼同一
- 外観
- 観念
- 結合商標
- 分離観察
- 要部認定
- 識別力
- 取引実情
- 使用証拠
- 漢字
- 語義
- 業界の実情
- 記述的表示
- 品質等表示
- 普通に用いられる方法で表示
- 機械・構造
- 材料
- ネットワーク
- ソフトウェア
- 人工知能(AI)
- 制御
- 化学
- 医薬
- 化合物
- 組成物