国内裁判例・審決例レポート

国内裁判例・審決例
レポートアーカイブ

国内裁判例・審決例レポート 2025年 第16号

「熱可塑性樹脂組成物」事件

(知財高判令和7年3月4日 令和6年(ネ)第10026号)

 

概要

(1)「分子量700以上」との構成を有する数値限定発明について、文言侵害および均等侵害の成否が議論された事例。

(2)「分子量が699.91848」である被控訴人製品ないし方法について、裁判所は、文言侵害の成立を否定するとともに、均等論の第1要件(非本質的部分)は充足するものの、第5要件(意識的除外等の特段の事情)を充足しないとして、均等侵害の成立も否定した。

国内裁判例レポート 2023年 第34号

「コンプレッションサポーター」事件
(知財高判令和5年10月26日 令和4年(ネ)第10113号)
(1)損害賠償等請求控訴事件において、均等の第1要件(非本質的部分)が争点のひとつとされた事例。
(2)裁判所は、従来技術と比較した本件発明の貢献の程度は大きいものでなく、本件発明の本質的部分は、特許請求の範囲の記載とほぼ同義のものと認められ、被控訴人各製品は、本件発明の本質的部分を具備せず、均等の第1要件を充足しないと判断した。