国内裁判例・審決例レポート 2024年 第6号
「AROUSE」事件
(知財高判令和5年1月17日 令和4年(行ケ)第10078号)
複数の引用商標との類似に基づき請求された無効審判の審決取消訴訟で、各引用商標から生じる称呼は各々の引用商標の構成に基づき認定されるとの原則を再確認した事例。
国内裁判例・審決例レポート 2024年 第5号
「KAZE」事件
(知財高判令和5年7月12日 令和5年(行ケ)第10005号)
(1)審決取消訴訟において、デザイン化された文字を含む「KAZE」を構成中に含む出願商標と「KAZE」の欧文字を黒色ゴシック体で表した引用商標との類否が争点となった事例。
(2)審判部、裁判所(知財高裁)ともに、出願商標はデザイン化されていても欧文字4文字の「KAZE」と判読可能と認定し、引用商標と類似すると結論付けた。
(3)構成文字の一部がデザイン化された商標が、判読可能な文字として審査されるか、もはや判読不可能な図形要素として審査されるか、その境界線を考えさせる参考事例。
国内裁判例・審決例レポート 2024年 第4号
「車両ドアのベルトラインモール」事件
(知財高判令和5年7月25日 令和4年(行ケ)第10111号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性判断が争点となった事例。
(2)特許庁の審決においては容易に想到し得ないとされた相違点に係る構成について、当業者が適宜なし得る設計的事項であると判断し、本件発明の進歩性を否定した(特許庁審決を取消)。
国内裁判例・審決例レポート 2024年 第3号
「athlete Chiffon」事件
(知財高判令和5年10月12日 令和5年(行ケ)第10038号)
(1)審決取消訴訟において、出願商標「athlete Chiffon」が自他商品役務識別力を欠くとして拒絶となった事例(特許庁の拒絶審決を維持)。
(2)指定役務分野で「athlete」と「Chiffon」の語がどのような態様で、いかなる意味にて用いられているかを一般取引実情として認定し、識別力の有無を評価した。
(3)商標から認識される意味を一般取引実情に基づいて評価する手法に関する参考事例。
国内裁判例・審決例レポート 2024年 第2号
「プログラム」事件
(知財高判令和5年8月10日 令和4年(行ケ)第10118号)
(1)審決取消訴訟において、技術分野の関連性が争点となった事例。
(2)裁判所は、甲1発明及び甲4技術は、いずれも無線通信を利用して電子機器の制御を行う技術であり、その属する技術分野を共通にすると判断した(特許庁審決を維持)。
国内裁判例・審決例レポート 2024年 第1号
「接触操作型入力装置およびその電子部品」事件
(知財高判令和5年2月16日 令和4年(行ケ)第10012号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性が争点となった事例。
(2)裁判所は、引用発明に周知技術1を適用することが容易であるとはいえないとして本件発明の進歩性を肯定した(特許庁審決の判断を支持)。
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国内裁判例レポート 2023年 第36号
「EMPIRE STEAK HOUSE」事件
(知財高判令和5年1月17日 令和4年(行ケ)第10087号)
(1)審決取消訴訟において、図形と文字からなる出願商標「EMPIRE STEAK HOUSE」と引用商標「EMPIRE」との類否が争点となった事例。
(2)審判部、裁判所(知財高裁)ともに、本願商標中の「EMPIRE」部分を要部と認定し、引用商標と類似すると結論付けた。
(3)「●●+識別力の弱い語」の構成からなる結合商標について、構成文字の識別力の強弱差及び一般取引実情を考慮しつつ、要部抽出が行われるべきかを判断した参考事例。
国内裁判例レポート 2023年 第35号
「立坑構築機」事件
(知財高判令和2年3月24日 令和元年(行ケ)第10102号)
(1)審決取消訴訟において、進歩性の判断の誤りが争点となった事例。
(2)裁判所は、引用発明1に引用発明2を適用することについて阻害要因があるから、本件発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないと判断した(特許庁審決の判断を支持)。
国内裁判例レポート 2023年 第34号
「コンプレッションサポーター」事件
(知財高判令和5年10月26日 令和4年(ネ)第10113号)
(1)損害賠償等請求控訴事件において、均等の第1要件(非本質的部分)が争点のひとつとされた事例。
(2)裁判所は、従来技術と比較した本件発明の貢献の程度は大きいものでなく、本件発明の本質的部分は、特許請求の範囲の記載とほぼ同義のものと認められ、被控訴人各製品は、本件発明の本質的部分を具備せず、均等の第1要件を充足しないと判断した。
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